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2007-09-28

立山・剱岳登山

07/09/22(土)~09/27(木)

9月下旬になると、北アルプスでは紅葉を迎えます。
ってな事で、剱岳に行ってきました。

剱岳:富山県(2,999m)
新田次郎著「剱岳<点の記>」にて有名。
明治40年、日本地図最後の空白地点、前人未到の剱岳に挑んだ男:柴崎芳太郎と
案内人:宇治長次郎の不屈の闘志で挑んだ実話が基になっている。



剱岳は日本の一般登山道では、最も厳しいと言われており、
あまり登山経験の無い私でも、その名は前から聞いていました。

見知らぬ地へ向かう不安と、駆り立てられる冒険心。
自身の想像の中で、剱岳に対する虚像が膨れ上がり、
それを払拭すべく、もはや実像を求めずにはいられなくなりました。


実は1ヶ月前にも挑戦したのですが、剣沢にて、天候不良の為、やむなく断念したという苦い経験をしてます(TmT)

高鳴る鼓動を抑え、いざ出陣です!!

9/22(土)晴れ
9:00 東京出発 →(KHS F20-RAC) →24:00 諏訪湖畔
ちなみに移動はチャリです。湖畔のゲートボール場で仮眠。



9/23(日)雨のち曇り
3:00 諏訪湖畔出発 →11:00 扇沢到着 (東京から315km)
→(トロリーバス&ケーブルカー&ロープウェイ) →14:00 室堂到着
→ 18:00 剣沢テント場


室堂へ行くには、富山県立山方面と長野県扇沢からアプローチ出来ます。
扇沢から向かうと、堤高日本一の黒部ダムを通過します。

黒四ダム 堤高186m、堤頂長492m。
 黒四ダム展望台から一望。
 湾曲した堤のうねりと、そこから爆発的に噴出すダムの様は圧巻です。

黒四ダム

ミクリガ池 立山登山道の入り口である室堂平は雲上のハイキングコース。
 中でもミクリガ池は湖面に立山連峰を映す人気の場所。

ミクリガ池

鍬崎山 雷鳥平から剱御前鞍部へ向かう登山道の途中で後ろを振り返ると、
 そこは一面雲海の世界。
 ぽこっと顔を出しているのが鍬崎山でしょうか。
 遥か彼方では荒波が立っています。

鍬崎山を望む

今朝、雨の中チャリ漕いでいたのが、今では逆転し、雲の上の晴れ渡る世界です。

剱岳  岩と雪の殿堂
雲湧く剱岳

剱沢テント場は剱岳を一望できる沢の上部に位置します。
眼前に剱岳を望められ、ロケーションとしては最高ですね。

八ッ峰
八ッ峰

一ヶ月前は、ここで暴風雨に遭い、あえなく帰りました・・・。



9/24(月)晴れのち曇り
5:30 剣沢出発 →8:30 剱岳山頂(2,999m) →9:30 山頂出発
→12:00 剱沢テント場


今日はいよいよ剱岳へ挑みます。
雲が若干、頂上を覆っているのが心配ですが、ここまで来たら挑戦あるのみ・・

剱岳 剱岳
カニのタテバイ、ヨコバイ

剱岳には、カニのタテバイ、ヨコバイと言われる難所があります。
登山道無き登山道には、杭が岩壁に打ち込まれており、そこをよじ登るのです。
なんとも怖い・・・
慎重に、慎重に。



剱沢から出発して3時間。
岩が積み重なり、なだらかな岩石の丘が広がっています。
剱岳頂上です。


遮るものは無く、まさに壮観。。。



荒々しい岩稜が、眼下に広がる断崖の高度感をさらに際立たせ、
まさに剱岳から日本の全ての山を望めるのではないかと思えるほど酔い痴れました。



頂上にてどのくらいの時間を費やしたのか。
永遠とも一瞬とも呼べる経過の中で、
悠久の時間を刻み続けてきた剱岳の空気を、自身に刻むかのごとく、
対峙していました。



前剱登山道から剱沢
前剱登山道から剱沢を望む
剱岳から富山平野
剱岳から富山平野を望む
剱岳から室堂
剱岳から室堂を望む

哀歓を胸に、剱岳を後にしました。
「また剱岳に会えるのはいつだろうか。」



その頂は大きく、人間の手の届かない遥かなる存在。
しかし、剱岳は存在します。確実に存在します。
我々の挑戦を待ち続けるかのように。
明日への糧。







この日は、雲も多く、ブロッケン現象も綺麗に見ることができました。

ブロッケン 真ん中の円形虹がその現象です。
 背後の太陽の光が差込み、雲や霧に散乱すると起こるらしいです。

ブロッケン現象

今日は時間を贅沢に使い、剱岳を満喫しました。
夕方3時辺りから雲も広がり、雷鳴が轟き、再び悪夢が・・・
まとまった雨となりました。。

やはり山の天気は変わりやすいですね~。



9/25(火)雨のち曇り
9:45 剱沢出発 →13:00 真砂沢 →16:00仙人峠 →16:30 池の平キャンプ場

昨日から続く雨・・・。晴れないかと淡い希望を抱きながら、出発を見送る・・・。
3時間近く経ったでしょうか。結局、意味無く、雨の中出発する事に(ノд-。)

今日は日本三大雪渓の剣沢雪渓を下り、一路カメラマンの聖地仙人池を目指します。
実はここで大変恥ずかしながら、どこで雪渓に入っていいのかわからず、
道なき道を高巻きし続け、すれ違う登山者も無く、こんな道を他の登山者も通るのか・・・
と疑問視しながらも必死にへばり、下っていると、おおっ!!
雪渓の真ん中を堂々と登ってくる登山者の姿が・・・
と言う事で、ここからようやく軽アイゼンを取り付け、剣沢雪渓を下りました。ほっ(ー。ー)


剱沢雪渓
剱沢雪渓

剣沢雪渓
剱沢雪渓を下部から望む

剱沢雪渓 雪渓内は解けて空洞化している為、滑落、崩落の危険があります。
雪渓の空洞化

この後も登山道続きますが、雨の為、写真は撮りませんでした。
三ノ窓雪渓も見応えあります。この辺りから、かなりの急登を強いられますが・・・。

三ノ窓雪渓
三ノ窓雪渓



9/26(水)快晴
6:30 平ノ池 → 6:50 池ノ平出発 →7:30 仙人池 → 9:00 仙人池温泉
→11:30 仙人谷ダム →17:30 黒四ダム→ 18:00 扇沢到着
→ 18:30 薬師の湯 →21:30 安曇野


今日は扇沢から帰る予定ですが、仙人谷ダム経由を考えている為、
終バスに間に合うかどうか・・・

平ノ池 池ノ平の麓に広がる平地にひっそりと佇む池。
 知る人ぞ知る秘境です。
 池面に映るのは剱岳の八ッ峰。

平ノ池

仙人池 紅葉の季節ともなれば三脚を立てたカメラマンで埋め尽くされるらしいです。
 紅葉を狙ってきたはずが、何も色付いてません。
 ただ、逆さ八ッ峰には圧巻です!

仙人池に映る八ッ峰

仙人池温泉からは、雲切新道が続きます。
ここは2007年からのできたてほやほや登山道です。
ピークは1500m程ですが、ダム方面からはかなりの急登です。
下りも、雨上がりの為、つるつる状態で苦戦しました(;^_^A

仙人 左側がダム、右側が黒部川上流です。
黒部川と仙人谷ダム

仙人谷ダム 黒部川の黒部ダムより下流域を下ノ廊下と言いますが、
 下ノ廊下に存在する唯一のダム。
 関西電力関係者以外ここには誰もいません。

仙人谷ダム

仙人谷ダムから黒四ダムまで旧日電歩道が15km程、続きます。
道幅は50cm~1mくらいでしょうか。
途中、雪渓や崩落の為、かなり難所となっており、落ちたらまず助からないとは思いますが、
この道を作るだけでも相当の労力であったに違いません。
そう思うと歩ける事、この景色を味わえる事に感謝です。

しかし、今は扇沢の終バスに間に合うかが気がかりでなりません。

S字峡 急峻な黒部川の流れが谷をS字にえぐります。
黒部峡谷S字峡

十字峡 黒部川に両岸から沢の水が流れ込み、見事に十字で交わる。
 下ノ廊下の名所の一つ。

黒部川十字峡

白竜峡
白竜峡

黒部峡谷
黒部峡谷

黒部峡谷 右側の崖に削られてる部分が歩道。
黒部峡谷

新越滝
新越の滝


そして、気になる終バスですが、ぎりぎり5分前に到着出来ました。
帰りは大町にある『薬師の湯』に浸かり、疲れを癒します(>▽<;;

今日はかなりの疲労の為、チャリ漕いでる途中に眠くなり、
安曇野の見知らぬ空き地で気づいたら寝ていました(@Д@;

これ傍目から見たら、浮浪者ですよね・・・



9/27(木)曇り時々晴れ
3:00 安曇野出発 → 7:00 塩尻峠 → 15:30 笹子トンネル 
→ 18:00 垂水峠 →21:00 東京自宅到着


無事、到着です。
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自己紹介

アリ

Author:アリ
都内にて建設業に携わる。
建築巡礼からいつしか風景へと・・・
経費削減の為、自転車で移動

カメラ:canon EOS40D
チャリ:KHS F20-RAC

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ブログ創設:07/11/09

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