2005-04-11
日本の旅黎明 [直島]
関東近郊の建築をチャリで見て回るようになって、
チャリ旅にも大分馴染んできた今日この頃。
スケジュールを見ると丸々一週間、学校もバイトも無い日がたまたまありました。
いつも通りの「ふらっと建築を見に行こう!」って事で、カメラと地図を持って旅に出ました。
目的は安藤忠雄建築のある瀬戸内海に浮かぶ島、香川県直島・・・。
この頃、全く持って旅のノウハウが無かった為、テントも寝袋も無い状態で良く旅に出たもんだなぁ~
と我ながら感心して、当時を振り返ります。
寝床といえば、公園、閉店後の店の軒下、駐車場などなど・・・
初めてチャリで越える東海道に、街道としての面影は無く、あるのは車社会の現実。
歩道といういつまで続くのか全く持って保障の無い頼りない安全と、
隣り合わせに常につきまとう恐怖・・
そんな現実を目の当たりにした旅でもありました。
東海道交通の要衝でもある静岡県由比町。
左からJR東海道本線、東海道(1号線)、東名高速と一箇所に集中する。
チャリにとっても要衝です。
左の峠を登ると東海道五十三次で有名な薩埵(さった)峠がある。
東海道
05/4/6(水)~4/11(月) CHEVROLETの旅
時間などの詳しい情報の記録も残っておらず、行き当たりばったりの旅なので
少々見にくいかもしれません。あしからず・・・
静岡県の天竜川中流域に秋野不矩美術館があります。
設計は奇をてらった作品作りで有名な藤森照信氏。
美術館としては氏の処女作と言う事で、東海道からはかなり離れていますがせこせこ行って来ました。
美術館は小高い場所に位置し、建物基礎部がにょきっと崖側に足を伸ばしている。
秋野不矩美術館
そのすくっと建っている様に「これが藤森建築かぁ~」とただただその表現に驚くばかりです。
左側がエントランス。
外観
中に入ってもびっくり。
何と裸足で作品を鑑賞するのです。しかも寝て鑑賞もOKだとか・・・
あたり一面、一畳程の白い大理石で埋め尽くされ、これでもかと言う程、空間は真っ白。
その中に凛と存在する秋野不矩作品は際立った迫力があります。
再び東海道に戻ります。
愛知県を越え、三重県に入ると、東海道の面影を唯一残す歴史的町並みとして有名な
関宿があります。
その街並なんと1,8kmもあるのです!!
重要伝統的建造物群保存地区に選定。
平入り二階建てが一般。
町屋の建築年代は、最も古いもので18世紀中頃と見られ、
明治中頃までの時期のものが多数存在する。
関宿の街並
関宿を後にし、続いて向かったのは、兵庫県山邑邸です。
山邑邸は旧帝国ホテル、自由学園明日館の設計で有名なフランクロイドライト設計です。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑邸):兵庫県芦屋市山手町3-10
1924年竣工。RC造。個人住宅の為に設計。
国の重要文化財に指定。
日本に残るライト作品の原型を留める唯一の建築。
大谷石で造られた車寄せ。
上階テラス部からは芦屋の街並を一望できます。
山邑邸
細部にライトの意匠が光ります。
山邑邸内観
ちなみに山邑邸はなかなかの勾配のある地域(芦屋市街が一望)に建っています。
閑静な住宅街にある為、駐車場もありません。
チャリをお勧めしたいですが、坂が厳しいです・・
さくさく行きます!
続いては、震災後に復興事業として再開発されたHAT神戸です。
HATとはHappy Active Townの略で、三宮地区を指します。
ここには、安藤忠雄建築の兵庫県立美術館が建ちます。
展示室、ホール、アトリエ、レクチャールームと
異なった機能を分割させる為に、分棟型美術館となったようです。
また分棟にする事により隙間が生じ、
山と海を繋ぎ、視線の繋がりを意識している。
兵庫県立美術館
前面は港。
ハーバー部分も安藤氏設計。
兵庫県立美術館
溜まり部分の造形。
兵庫県立美術館
ここからまたひた走り、岡山県宇野港から直島行きのフェリーに乗ります。
いよいよ今回の旅の核心部、直島です!
直島はベネッセコーポレーション代表:福武氏の下、直島をアートサイト直島とし、
響きあう創造の場としてメッージを発信し続ける事をテーマに、
瀬戸内海の風景の中、ひとつの場所に、時間をかけてアートをつくりあげています。
そのアートの一連の火付け役が、安藤忠雄氏です。
家プロジェクト(南寺)を始め、直島コンテンポラリーアートミュージアム、地中美術館など
直島を一躍ブランド化したようにも感じます。
内部にはジェームズ・タレル氏の作品が展示されている。
南寺
杉本博司氏設計。
何とも不思議な空間を味わえます。
護王神社
直島の中核をなすベネッセハウス。
様々なアーティスト達がその場所のために制作した
サイトスペシフィック・ワークスを永久展示しています。
ベネッセハウス
ここは写真で見るよりも、是非とも実際に行って、肌で感じて頂けたら一番良いと思います。
直島の空気は何よりもおいしです。

4×4の家
と言う事で、直島の旅も終わり、神戸から夜行バスで(チャリを畳んで)帰りました。
この旅を振り返ると・・・
大雨の時、どぶに落ちたり(笑)、着替えも持っていなかったので、
びしょ濡れになった時はどうしようかと思いましたが、超速で走って乾かしたり(←無謀・・・)、
初めてパンクし、その時はおじさんに色々お世話になったり、
野宿出来るいい場所を直島のおじさんに教えて頂いたりと、
過酷な旅であると共に、感謝の連続の旅でもありました。
その分、その時々に刻まれた風景は感慨一入に勝るものがあります。
死に物狂いの旅でしたが、日本の風景を少しでも味わえたのではないかと思います。
結局、この旅がきっかけ?で後に様々な旅をするようになったのは事実なので、
勝手に黎明の旅と名づけました。
この旅を振り返る度、情熱がメラメラと燃えてきます。
次はどこへ行きますか・・・
チャリ旅にも大分馴染んできた今日この頃。
スケジュールを見ると丸々一週間、学校もバイトも無い日がたまたまありました。
いつも通りの「ふらっと建築を見に行こう!」って事で、カメラと地図を持って旅に出ました。
目的は安藤忠雄建築のある瀬戸内海に浮かぶ島、香川県直島・・・。
この頃、全く持って旅のノウハウが無かった為、テントも寝袋も無い状態で良く旅に出たもんだなぁ~
と我ながら感心して、当時を振り返ります。
寝床といえば、公園、閉店後の店の軒下、駐車場などなど・・・
初めてチャリで越える東海道に、街道としての面影は無く、あるのは車社会の現実。
歩道といういつまで続くのか全く持って保障の無い頼りない安全と、
隣り合わせに常につきまとう恐怖・・
そんな現実を目の当たりにした旅でもありました。

左からJR東海道本線、東海道(1号線)、東名高速と一箇所に集中する。
チャリにとっても要衝です。
左の峠を登ると東海道五十三次で有名な薩埵(さった)峠がある。
東海道
05/4/6(水)~4/11(月) CHEVROLETの旅
時間などの詳しい情報の記録も残っておらず、行き当たりばったりの旅なので
少々見にくいかもしれません。あしからず・・・
静岡県の天竜川中流域に秋野不矩美術館があります。
設計は奇をてらった作品作りで有名な藤森照信氏。
美術館としては氏の処女作と言う事で、東海道からはかなり離れていますがせこせこ行って来ました。

秋野不矩美術館
そのすくっと建っている様に「これが藤森建築かぁ~」とただただその表現に驚くばかりです。

外観
中に入ってもびっくり。
何と裸足で作品を鑑賞するのです。しかも寝て鑑賞もOKだとか・・・
あたり一面、一畳程の白い大理石で埋め尽くされ、これでもかと言う程、空間は真っ白。
その中に凛と存在する秋野不矩作品は際立った迫力があります。
再び東海道に戻ります。
愛知県を越え、三重県に入ると、東海道の面影を唯一残す歴史的町並みとして有名な
関宿があります。
その街並なんと1,8kmもあるのです!!

平入り二階建てが一般。
町屋の建築年代は、最も古いもので18世紀中頃と見られ、
明治中頃までの時期のものが多数存在する。
関宿の街並
関宿を後にし、続いて向かったのは、兵庫県山邑邸です。
山邑邸は旧帝国ホテル、自由学園明日館の設計で有名なフランクロイドライト設計です。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑邸):兵庫県芦屋市山手町3-10
1924年竣工。RC造。個人住宅の為に設計。
国の重要文化財に指定。
日本に残るライト作品の原型を留める唯一の建築。

上階テラス部からは芦屋の街並を一望できます。
山邑邸

山邑邸内観
ちなみに山邑邸はなかなかの勾配のある地域(芦屋市街が一望)に建っています。
閑静な住宅街にある為、駐車場もありません。
チャリをお勧めしたいですが、坂が厳しいです・・
さくさく行きます!
続いては、震災後に復興事業として再開発されたHAT神戸です。
HATとはHappy Active Townの略で、三宮地区を指します。
ここには、安藤忠雄建築の兵庫県立美術館が建ちます。

異なった機能を分割させる為に、分棟型美術館となったようです。
また分棟にする事により隙間が生じ、
山と海を繋ぎ、視線の繋がりを意識している。
兵庫県立美術館

ハーバー部分も安藤氏設計。
兵庫県立美術館

兵庫県立美術館
ここからまたひた走り、岡山県宇野港から直島行きのフェリーに乗ります。
いよいよ今回の旅の核心部、直島です!
直島はベネッセコーポレーション代表:福武氏の下、直島をアートサイト直島とし、
響きあう創造の場としてメッージを発信し続ける事をテーマに、
瀬戸内海の風景の中、ひとつの場所に、時間をかけてアートをつくりあげています。
そのアートの一連の火付け役が、安藤忠雄氏です。
家プロジェクト(南寺)を始め、直島コンテンポラリーアートミュージアム、地中美術館など
直島を一躍ブランド化したようにも感じます。

南寺

何とも不思議な空間を味わえます。
護王神社

様々なアーティスト達がその場所のために制作した
サイトスペシフィック・ワークスを永久展示しています。
ベネッセハウス
ここは写真で見るよりも、是非とも実際に行って、肌で感じて頂けたら一番良いと思います。
直島の空気は何よりもおいしです。

4×4の家
と言う事で、直島の旅も終わり、神戸から夜行バスで(チャリを畳んで)帰りました。
この旅を振り返ると・・・
大雨の時、どぶに落ちたり(笑)、着替えも持っていなかったので、
びしょ濡れになった時はどうしようかと思いましたが、超速で走って乾かしたり(←無謀・・・)、
初めてパンクし、その時はおじさんに色々お世話になったり、
野宿出来るいい場所を直島のおじさんに教えて頂いたりと、
過酷な旅であると共に、感謝の連続の旅でもありました。
その分、その時々に刻まれた風景は感慨一入に勝るものがあります。
死に物狂いの旅でしたが、日本の風景を少しでも味わえたのではないかと思います。
結局、この旅がきっかけ?で後に様々な旅をするようになったのは事実なので、
勝手に黎明の旅と名づけました。
この旅を振り返る度、情熱がメラメラと燃えてきます。
次はどこへ行きますか・・・
07/2/14~2/16 直島ドライブ
その後、建築仲間と直島を訪れる機会がありましたので、
写真をupします。
直島に到着すると早速、新建築が迎えてくれます。
妹島和世+西沢立衛/SANAA設計。
2年振りに訪れたら、フェリー乗り場にこんな建築が出来ていました。
薄い屋根とそれを支える細い柱。
SANAAの設計コンセプトは徹底してますね~。
金沢21世紀美術館とよく似ています。
海の駅「なおしま」

直島に散らばるアート
その後、建築仲間と直島を訪れる機会がありましたので、
写真をupします。
直島に到着すると早速、新建築が迎えてくれます。

2年振りに訪れたら、フェリー乗り場にこんな建築が出来ていました。
薄い屋根とそれを支える細い柱。
SANAAの設計コンセプトは徹底してますね~。
金沢21世紀美術館とよく似ています。
海の駅「なおしま」



直島に散らばるアート
スポンサーサイト